3月と9月にはお彼岸があり、春分の日と秋分の日は祭日でお休み!
……といってもお彼岸って、いったい何でしょう?
春分の日秋分の日と、お彼岸は何か関係があるのでしょうか。
お彼岸とは?

「彼岸」は、二十四節気や節句に属さない、「雑節・ざっせつ」という季節の行事です。
「彼岸会・ひがんえ」という仏事が元になっています。
仏事といっても、世界でお彼岸の行事が残っているのは日本だけです。
お彼岸の由来
『日本後紀』には、806年各地に建立されていた、国分寺の僧侶たちが、崇道天皇のために7日間「金剛般若経」というお経を読んだという、記述があります。
これが史実に残る、日本で初めての彼岸の行事とされています。

浄土思想では、阿弥陀如来が治める極楽浄土(ユートピア)は西方のはるか彼方、はるか向こう岸にある、と考えられています。
そのため、はるか向こう岸=彼岸と言われるようになりました。
つまり、彼岸とは、極楽浄土のことなのです。
普通の人が住んでいるところは、こちら岸=「此岸」(しがん)といいます。
春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、彼岸=極楽浄土の方向が、正確にわかるのです。
春分と秋分の日に、太陽が沈む方向が極楽浄土なので、そこに思いをはせて、拝むようになりました。
人はいつか、こちら岸からあちら岸に行く。
死んで、生まれ変わったら自分も極楽浄土に住みたい。
ご先祖様もきっとあちら岸にいるだろう。
こういう仏教思想の下で、お彼岸に先祖供養をするようになったと言われています。
2022年の春と秋のお彼岸って、いつ?

春のお彼岸は、春分の日と、その前後3日を合わせた計7日間です。
秋は、秋分の日を挟んだ7日間ということになります。
最初の日を「彼岸の入り(ひがんのいり)」、春分の日は、ちょうど真ん中の日です。
つまり春分の日と秋分の日を「中日(ちゅうにち)」、最後の日を「彼岸明け(ひがんあけ)」といいます。
2022年 春の彼岸
- 彼岸入り 3月18日(金曜日)
- 中日(春分の日) 3月21日(月曜日)
- 彼岸あけ 3月24日(木曜日)
2022年 秋のお彼岸
- 彼岸入り 9月20日(火曜日)
- 中日(秋分の日) 9月23日(金曜日)
- 彼岸あけ 9月26日(月曜日)

お彼岸とお盆との違い
お盆もお彼岸も、先祖供養だとしたら、どう違うのでしょうか。
彼岸は、「西方の極楽浄土に思いをはせて祈る」と前述しました。
お盆は、仏教の「盂蘭盆(うらぼん)」が由来です。
釈迦の弟子の母親が、亡くなった後に極楽に行けずに、飢えや渇きに苦しむ「餓鬼道」という亡者界に落ちました。
そこで苦しんでいたところ、釈迦の教えにより、弟子が供養したことで、母を救うことができたという、仏教の故事からきています。
「盆」というのは、弟子が、母を供養したときに使った「お盆」からきていると言われています。
お盆もお彼岸も、現在は先祖供養ですが、元々は、それぞれ違う意味があるのです。
また、お盆には、先祖があの世から、この世に戻ってくると言われますが、お彼岸にはそういう言われはありません。
お彼岸にぼたもちを供える理由
お彼岸には、お墓や仏壇に、ぼたもちをお供えします。
同じようなものに「おはぎ」もありますが、春に咲く牡丹、秋に咲く萩に、それぞれ、なぞらえているので、春は、ぼたもちをお供えします。
しかし、それも諸説あり、定かではありません。
おはぎとぼたもちは、どう違うのでしょう?
実は・・・同じものです!
両方とも、もち米を蒸して、荒く突き、あんこでくるんだものです。
もち米とうるち米を、混ぜる場合もあります。
「おはぎはつぶあんで、ぼたもちはこしあん」
という、地域もあるようですが、ローカルルールのようです。

お彼岸という言葉は、聞きなれていましたが、その歴史や風習には、色々と言われがあるものですね。
お彼岸もお盆も、始まりは違っていても、祖先に感謝の意を表す、という意味ですね。